現在、半導体はそのほとんどが平和利用されています。開発当初は今のような使いかたを想定していなかったかもしれませんね。セミオさんが言う通り、戦争と科学の発展には密接な関係があります。また、世界のノーベル賞は、ノーベルさんがダイナマイトを発明してそれで儲けたお金がもとになっています。
半導体も例外ではなかったのですね。話がそれました。最初の半導体に戻りましょう。
ダイオードの誕生
最初の半導体はダイオードです。ダイオードとは英語でDiodeと書きます。語源はギリシャ語の「di‐hodos」(2つの極)だそうです。ダイオードは一方向にしか電気が流れないようになっています。前回紹介したP型とN型がくっついてできています。
P型半導体もN型半導体も、そのままでは電気的に中性です。電気的に中性ということは電子の数と陽子の数が同じであるという事です。(すべての物質は小さく区切っていくと、原子にたどりつきます。原子は+の電気を持つ原子核と-の電気を持つ電子でできていて、電気的に釣り合っています)
P型とN型をくっつけると
こんなふうになります。左はP型で右はN型です。P型は正孔という穴が開いていて、N型には電子があり、互いに拡散しあいます。
N型の電子が抜けた部分は、+になり、P型の方は-に帯電します。(どちらも元々は電気
的に中性なので)結果、
上記のようになり、N型からP型の方向に電界が発生します。電界とは電気が働いているところと考えてください。電界が正孔を左、電子を右に移動させる力を働かせて拡散が止まります。これがダイオードです。
ダイオードに電圧をかけるとどうなるでしょうか。
このように電圧をかけると互いに電池の-と正孔がひかれあい、逆側も電池の+と電子がひかれあうため電気は流れなくなります。(逆バイアス)でも電池を逆につけると電気が流れるようになります。(順バイアス)このように、一方向にのみ電流が流れるので
のような記号でダイオードは表されます。矢印の向きに電気が流れます。
ダイオードの心とは?
ダイオードの仕組みがわかったところで、本番です。ダイオードは一方向にしか、電流を流さない半導体です。電子の流れる方向もそうです。セミオ君のママに対する心が一直線に向いているのです。つまり、ダイオードとは、心を一直線に向けた半導体といえるのです。
しかし、少し危険な匂いもします。行先が決まっている心は、時によっては恐ろしいことも招きます。テロという行為もそうですね。ご自分が時々ダイオードのような動きをしていないか、見つめなおすことも必要ではないかと思います。
人類の歴史と半導体の歴史
人類の歴史をみても、最初人類は自分たちのことしか見ていませんでした。他の動植物を軽んじていました。最初の半導体も同じですね。周りが見えていない人はダイオードのようになっているので、たまには、逆のことをするようにアドバイスした方がよいのかもしれません。
まとめ
最初の半導体いかがですか。私は初めて知ったときにはよくこんなこと思いついたな、と感じました。そして半導体材料の製造という仕事に携わって考えていくと、人もにたようなところがあるなぁと思い始めたのです。
半導体は電流を流すか、流さないかでスタートしました。人も食べるか、食べられるかでスタートしています。半導体のことを考えると人の将来すら見えてくるような気がします。
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